指先から採った、ほんのちょっとの血液で、何がわかるの?
次の8つの項目が調べられます。
血糖関連
- 血糖値
- HbA1c
血中脂質関連
- 中性脂肪(TG)
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
肝機能関連
- AST(GOT)
- ALT(GPT)
- γ-GT(γ-GTP)
測定室によって異なりますが、現在は血糖関連、血中脂質関連の測定が主なものとなっています。
もっと詳しく測定項目の意味
測定できる項目の詳細は、各タイトルバーをクリックしてご覧ください。
血糖関連(クリックで展開します)
- 関連する主な病気…動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓など
- 関連する生活習慣…食生活、肥満、運動不足など
血糖値
血液中の糖(ブドウ糖)の量を示す値です。糖は生命活動のエネルギー源ですが、血糖値が継続的に高いと、さまざまな病気のリスクが高まります。なお、数値は食事で大きく変動するので、測定のタイミングが重要です。
- 空腹時血糖値 100mg/dL未満 基準値
- 空腹時血糖値 100~125mg/dL 糖尿病予備群
- 空腹時血糖値 126mg/dL以上 糖尿病の可能性が高い
HbA1c
血液中に糖が多い状態が続くと、赤血球中のヘモグロビンと結合して、HbA1cができます。これを測定することで、過去1~3カ月の血糖の状態がわかります。なお、検査前に食事をしても、数値に影響がありません。
- 5.2%未満 基準値
- 5.6~6.4% 糖尿病予備群
- 6.5%以上 糖尿病の可能性が高い
血中脂質関連(クリックで展開します)
- 関連する主な病気…動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓など
- 関連する生活習慣…食生活、肥満、運動不足など
中性脂肪(TG)
体を動かすエネルギー源となる脂質です。過剰なぶんが皮下脂肪や内臓脂肪などとして蓄えられ、肥満の原因となります。血液中の中性脂肪の量は食事によって左右され、脂肪分だけでなく、糖分も増加に関係します。
- 30mg/dL未満 低栄養など
- 30mg/dL以上150mg/dL未満 基準値
- 150mg/dL以上 高トリグリセライド血症
LDLコレステロール
細胞やホルモンの原料となる脂質(コレステロール)を、肝臓から全身に運ぶ役目があります。LDLコレステロールが過剰だと、血管の壁に蓄積して、動脈硬化の危険因子となるため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれます。
- 60mg/dL以上120mg/dL未満 基準値
- 120mg/dL以上140mg/dL未満 境界域LDLコレステロール血症
- 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール
全身から余分なコレステロールを回収して、肝臓に戻す役目があることから、動脈硬化を防ぐ「善玉コレステロール」と呼ばれています。そのため、HDLコレステロールが少なすぎると、健康リスクが高まります。
- 40mg/dL以上 基準値
- 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
肝機能関連(クリックで展開します)
- 関連する主な病気…肝炎、肝硬変、脂肪肝など
- 関連する生活習慣…食生活など
AST(GOT)
主に肝細胞の中にある酵素で、アミノ酸の代謝に関わっています。何らかの原因(病気や過度な飲酒など)で肝細胞が壊れることで、血液中に漏れ出てきます。ただし、値の増減が必ずしも肝臓に関係しているとは限りません。
- 30IU/L以下 基準値
ALT(GPT)
とくに肝細胞の中に多く存在する酵素で、アミノ酸の代謝に関わっています。何らかの原因(病気や過度な飲酒など)で肝細胞が壊れることで血液中に漏れ出てくるため、肝機能の指標として利用されます。
- 30IU/L以下 基準値
γ-GT(γ-GTP)
肝臓や、胆嚢につながる胆管の細胞に存在する酵素です。解毒に関与しているため、飲酒や医薬品の服用による影響を受けやすく、過度な飲酒で数値が上がるほか、胆管に存在するため胆石などの病気でも数値は上がります。
- 50IU/L以下 基準値
なお、検体測定室は「特定の病気が分かる」という施設ではありません。
診断が必要と思われる場合は、医療機関の受診をおすすめいたします。